パレスチナに平和と愛を

三井峰雄

マレーシア航空機はなぜ撃ち落とされたのか

三井と申します。よろしくお願いします。中東のことですけれども、僕はジャーナリストでも研究者でもありません。アラブ諸国に行ったのも、もう20年近く前が最後で。その後はずっと仕事なんかで忙しくて、現地情報もそんなに集めてるわけでもなかったんですが、今年の夏にイスラエルのガザ爆撃があって、何度か集会や抗議行動、デモにも参加してはいました。で、ともかく今年は非常に頭にくるというか、そんな話をしているうちに、「だったらお前書いてみろ」と。これは「市民の意見30の会」という市民運動団体のニュースレターに、専門家でもジャーナリストでもない立場から反戦運動に参加してる立場の人間として書いてみたらどうなのかと、その編集委員をやってる人に言われまして。何年か前には、若い頃には中東に行って映画を撮る仕事もちょっとしてたものですから、そういうところから書いてみたらどうなのかと言われて、文章を書きました。短い原稿でしたけれど書くこと自体が、何年ぶりのことだったので、一つひとつのことが間違ってないかとかいろいろ調べたりしながら書いて、まあそれって当たり前なことだと思いますが、僕にとっては本当に久しぶりなことでした。で、これを書くにいたるまでのいろいろな経過を今日はちょっと話して勘弁していただきたいなと思ってるんですけ。
一番頭にきたのは、メディアとかマスコミで語られている、このガザに対するイスラエルの攻撃のことですね。それがどういうふうに報じられてるか、非常におかしいと思うことがたくさん重なってきました。個人的な感想も含めて言わせてもらいたいと思うんですが、7月の初めにイスラエルがガザ攻撃を始めたその直後にウクライナでマレーシア航空機が撃墜されるという事件がありました。まあプーチンやその影響下にあるグループがやったんではないかって言われてます。でも、イスラエルが戦争を始めたその直後に大きな事件が別の所で起こるっていうのは、国際ニュースのトップに、自分達がやる戦争をもってきたくない者が起こしたんじゃないかなって、その時僕は思ったんです。数ヵ月前にもマレーシア航空機が行方不明になって、今もその残骸すら見つからない状況があります。このことを指してイスラエルやアメリカが関与したことだ、犯罪なんだっていう人達はその前からいて。その人達の話を聞いたこともあるんです。僕としてはまさかそんなことはってずうっと思ってたんですが、ガザの攻撃が始まった直後にもう一度マレーシア航空機が落ちて、ちょっとこれは関連性があるのではないかって、ふと思いまして。
その中でマレーシアっていう国がどういう位置にあるのかをみていくと、いわゆるイスラム銀行とかイスラム金融という、イスラムの法に則ったところでお金を動かすと。投資をしたり蓄財をしたりする。もちろん、イスラムを国教とする国というのはいくつかあります。それを細部においては国情に任せるんですが、一応基本的なイスラム法に則って。僕が知ってる限りで言うと、お金そのものに利子を付けるのではなくて、お金で儲かった、投資によって得られた利益についてはその投資の比率において利益は分けるんですけども、投資したお金そのものに利息を付けない。あるいは借金の証文に値段を付けて売り買いをしない。そういうのがイスラム法で、そうするとこの間のアメリカに端を発する金融危機などは、まあ起こらないわけです。そういう最低限のことは守りながら、その国情に合わせたイスラム金融の世界が、すでに世界の金融の30パーセントくらいに及んでいる。これは、日本経済新聞のウェブ版で見たことです。
で、そのマレーシアの外務大臣が昨年ガザを訪れて、ガザと西岸で分裂しているパレスチナ指導部の統一をどうも呼び掛けていたらしい。しかもイスラム金融の主要な舞台としてマレーシアが名乗り出て、実際動き始めている時期です。当然お金の絡む話として、パレスチナの指導部の統一をマレーシアの外務大臣は呼び掛けていたようだ。だから太平洋のどっかにマレーシア航空機が落ちたのはそこからきてるんだという人はいたんです。そこにまた、ガザ攻撃が始まった直後にウクライナでマレーシア航空機が撃ち落とされた。しかもウクライナで民主化運動という名の下で以前の大統領を追い落としていった、非常に暴力的な右派セクターの勢力には、イスラエルの国防軍も支援で入っているという話を読んだり聞いたりしていたものですから。これはひょっとしてガザ攻撃に際して、国際ニュースの時間帯を半分はウクライナの航空機の事故で埋めようという、そういう作為なのではないかなと、その時初めて思って。

67年の占領地――西岸地区へのイスラエルによる入植

では、この戦争がどういうふうに報じられたのかと。とにかくハマスに対しては、ガザ地区を実効支配する「イスラム原理主義組織ハマス」という言い方をした上でハマスが……というふうに言われます。2006年のパレスチナ自治選挙というのがあって。日本の選挙に似ていて比例代表と地区ごとの選挙に分かれてるんですが、その比例代表でハマスが圧倒的に得票をして議席を得たという結果があります。まあハマスがガザを実効支配してるという言い方をするならば、日本はなんて言うんでしょうか。「日本原理主義組織安倍政権」に実効支配されている日本っていう言い方になるんでしょうか。実際には、あの選挙で得票を得たハマスがガザの政権を取っていると。本当はガザの政権じゃなくて、ガザと西岸地区の政権、つまりパレスチナ自治区と呼ばれているところの政権を取ったはずのハマスなんですけれども。それが最近の報道では実効支配をしている、暴力で支配をしている。実力で政権を奪ってしまったハマスという報道の仕方がずうっと続いて。これもおかしいんじゃないか。2006年の自治政府の選挙というのは、日本政府からも国際監視団を送ってます。で、この監視団の代表はジミー・カーターっていう昔アメリカ大統領をやっていた人です。そのジミー・カーターさんが書いた最近の論文のなかで、とにかくハマスを政権としてきちっととらえることが中東和平になるのだ、選挙で選ばれた政権をなぜそのように排除しようとするのか、ということを訴えています。そのように実際に選挙があった。しかも選挙で選ばれたハマスと、ファタハというPLOの主流派が統一政権を作ろうとしたにもかかわらず、横槍を入れたアメリカとイスラエルが、ハマスではなくてファタハの側に資金を援助し、武器も与え、そしてハマスの排除を狙った。というのが2006年の選挙直後から2007年に至る状況であったわけです。それでガザと西岸でそれぞれの政権が出来てしまったという経緯がありました。
ではこの地図を見てください。パレスチナっていう場所がどこなのかというのは、この一番左側の枠の中の黒い歴史的パレスチナというところが、パレスチナというふうに言われているところです。ただ、パレスチナという国の王様がいて国境を作ったとか、そういうわけではありません。その北側にはレバノン、西側にはヨルダン。そして左下の斜めの線のところはシナイ半島ですから、そちらはエジプト。オスマン帝国が崩壊した後でイギリスとフランスがアラブの国境を定めたんだと、されている。そのように、エジプトとヨルダンとレバノンの国境が定められたことによって残った場所がパレスチナと呼ばれている。だからパレスチナ人などはいないのだと、よくイスラエルの戦後の指導部が言ってます。たしかに国があってそこに住んでいる国民がパレスチナ人だっていうような歴史的な経緯ではなくて、まわりに国境が出来たことによって、そこがパレスチナ地方という歴史的な名前で括られたっていうのがこの国境線の実際ではないんでしょうか。
このパレスチナですが、47年に国連で分割案が出ます。黒いところがアラブ人の地域、白いところにユダヤ人の国、ヨーロッパから植民してきたユダヤ教徒の国をつくったらどうかということが、47年の国連分割決議案です。それで、翌年、国連に反発するアラブ諸国とイスラエル勢力によって戦争が、第一次中東戦争が起こります。この右側の広いのがヨルダン川西岸地区、左側の狭いところがガザ地区と呼ばれるようになったわけです。で、これが1967年の戦争では、西岸地区とガザ地区、あの左上の地図の黒いところまでイスラエルの軍事占領下におかれてしまいました。48年に国連に加盟した白い部分のイスラエルはともかくとして、この黒い西岸とガザ地区は軍事占領下なので、ここをイスラエルは返すべきである、撤退すべきである、と。67年以降ずっと中東和平と言われる度に、とりあえずこの67年の占領地を返還すべきではないか、イスラエルは撤退すべきではないかと、いろんな場所で、国連や国際会議などで言われてきたことなんです。その右側のパレスチナ周辺図を見るとわかると思います。ヨルダン川西岸地区とガザ地区です。
返すべきではないかと言われているこのヨルダン川西岸地区に、その右側の地図あるいはそのもう一つ右側の地図も見ればわかりますけども、ドンドコドンドコ入植地というのをイスラエルは作ってしまっています。入植地に行くための道路、専用道路まで作ってしまって。しかも入植地を作るだけではなくて移民を受け入れて、その入植地に移り住ませるという政策をイスラエルはずうっと続けている。その移民っていうのはどこから来るかっていうと、冷戦崩壊後はまずロシアからたくさんのユダヤ教徒達が来ました。それでも足りないというのでエチオピアとかモロッコなどの北アフリカからもユダヤ教徒達をセッセコセッセコと移民を集めてきます。集めてきては、軍隊に送り込んだり、まあイスラエル国内にも住んでますが、西岸、ガザの占領地域へ送り込む。そして、ここはユダヤ教徒の、ユダヤ人の国なので、これを守らなければならないといって、世界中からドンドン援助金を集める。まあ一種の貧困ビジネスみたいな面も見えます。それが西岸の占領地域だと思うんです。ガザからは2005年に、イスラエルは全面撤退してるんですが、そのガザを今度は高い壁で封鎖して、国境線も制限して物が入らなくする。あるいは出稼ぎ労働者が外に出られない、漁民が海へ出られないっていう状況をずうっと作ってきた。西岸においては、入植地をドンドンドンドン広げていく。このように、一番左の地図のような、黒いところが67年戦争で全部占領下に置かれたんですけど、それを元に戻したらどうか、67年の戦争の前の状況に戻したらどうかという要求を、70年代からずうっとイスラエルは拒み続けてきたという経緯があります。

来日したイスラエル・ネタニヤフ首相がとった
統一政府への露骨なまでの敵対的態度

ハマスが2006年に選挙で大勝をして。それからPLOの主流派だったファタハ、亡くなってしまいましたがアラファト議長の配下の勢力とハマスとがまあ内ゲバをやって。そのアラファト議長派の方をイスラエルやアメリカが支援をする。あるいはEUも支援をする。そしてパレスチナがこの西岸地区とガザ地区に分裂してしまう。それで、こういう状況を、今年の4月に解消しようという動きが始まった。ガザ地区のハマスと西岸地区のアラファト派、ファタハが統一政府を作るという宣言をしたのが4月だったんですね。イスラエルのネタネヤフ首相が5月に日本に来ました。日本に来て安倍首相と会談をした時の要約が外務省のホームページに出ています。それを見てちょっと僕はびっくりしたんです。この4月に発表されたハマスとファタハの分裂を解消して統一政府を作るという――もともと統一自治政府があったわけですから、西岸とガザが分裂してるのがおかしいわけで――その宣言に対してネタニヤフは露骨な敵対をしていて。ファタハの奴らはあんなガザの原理主義者のハマスと手を組むなんていう方向に向かっていきやがった。それはもうファタハが我がイスラエルとの和平を作り上げるという熱意がなくなった証拠だ。あんなものはどうしようもないんだっていうことを一生懸命安倍に訴えてるわけです。それが5月の段階です。
6月に入ってガザと西岸の統一政府の発足を宣言するわけです。その発足したことに対してアメリカも日本もEUも大歓迎はしないけど「良かったね」という反応を示しているんです。EUの日本語のホームページに載っていたことですが、英字新聞なんかでもEUの宣言として、非常にこの部分については注目されているところなんです。西岸の政権の、EUの日本語版ではアッバス議長って書いてあったんですけどプレジデントなんです。これは大統領と訳した方がいいんじゃないか。実際、選挙で選ばれた大統領なんで。アッバス議長、大統領が1967年国境に基づく二国家解決の原則に触れていて。それをEUが支持している、歓迎している。つまり西岸やガザ、特に西岸にこれだけ入植地や分離壁や道路が出来ちゃってるけれども、本来この67年戦争以前の状態に戻るというのが、和平と呼ぶものなのではないか、ということを言っている。EUも改めてここで支持を、ちょっと遠回しですけれども、してることになるわけです。
ところが、イスラエルの指導部というのは、もうとにかくこれをつぶしたくてしかたがない。いったい今までいくら金をつぎこんで入植地を作ってきたんだ、道路作ってきたんだ、と。地元のアラブ人達にファタハを通して、パレスチナ暫定政府を通して金を払い、情報をあげ、便宜をはらい、武器まで渡してきたじゃないか。それを今更この西岸を返せ、ガザも解放せよ、だと。せっかく今まで何度も戦争を仕掛けて、分離壁で閉じこめてきた、あそこも含めて統一政府を作るのか。西岸の入植地まで返せというのか。我がイスラエルの隣にパレスチナなどという独立国は作らせないっていうのが、ネタニヤフのいるリクード連合です。リクードの綱領としてあるわけです。それなのにパレスチナ側が統一して改めてこの原則に基づいて撤退を要求してきた。土地を返せ。ここに自分達が独立国をつくる権利があるんだっていうことを言い始めた。それをEUまで支持するとは何事だ、というので物凄く怒って。

起こっていることを伝えないメディアの報道

この右から2番目の2000年くらいの古い地図なんですが、問題になってるエルサレム北部入植地っていうのがあります。その東側の方から北にかけての土地を、この6月の統一自治政府の発足直後に、また強引に買収して入植地の建設を始めた。それから1ヵ月後にガザ攻撃を始めて。50日間の非常にひどい戦争を始めたというのが実情ではないかと僕は思っているんです。にもかかわらずマスコミは、いつまでたっても和平交渉に応じない、武装闘争を続けるイスラム原理主義の悪いハマスが、またあのちゃちなロケットをイスラエルにボンボコボンボコ撃つから――年間5000発ほど撃ってるそうですけれども、そんなことをするのでイスラエル国防軍がガザに攻め入った。これはしかたがないんだ。暴力の連鎖が起こっているのだ。これは両者の戦争なんだっていう言い方で、ずうっとこう報道をしてきて。実際は入植地があり、圧倒的な軍事力による抑圧があり、また封鎖をされ、分離壁という15メートルくらいの凄い壁が作られている。これは右から2番目の地図に載ってます。そういう状況の中で、抑圧されているパレスチナ人達の抵抗運動を更に分裂させようとしている。その分裂を回避して、自分達で統一しようという動きをつぶそうというものとして、ガザに対する攻撃がこの夏あったんではないかなと。しかもその報道の仕方が本当に起こっていることの実情を伝えない。言いたくないことは言わない。言いたいことだけをつなげて情報を操作するということを非常に強く感じました。
パレスチナだけじゃなくて、例えば今エボラ出血熱のことが盛んにニュースのトップで語られていて。アメリカはどうだった、スペインはどうだったって言われてます。でもキューバの医療団のことは、AFPかなフランスの報道機関だと思うんですが、そこが伝えていることですけども、キューバからシエラレオネに医者が60人、看護師が105人、全員志願制で6ヵ月間滞在するっていう医療団の派遣が10月の初めにあったんです。でもテレビでも新聞でも全く触れることがない。それで、そのわずかな報道によると、キューバの医療団というのは、自分達はこういうものにぶちあたって、成果をあげた経験がある、だから今回も絶対やってやるんだというふうに語っているというんですね。その成果って何だろうと思うと、冷戦が崩壊してソ連も崩壊してしまったら、キューバにはクスリも農薬も全く入らなくなっちゃった。で、その時に何をやったかっていうと、まずいわゆるオーガニックっていうのか、無農薬有機農法を奨励して。農薬が無いなら有機農法で野菜を作ろうとなって成果があがったものですから、ハリウッドのセレブ達はキューバ産のオーガニック野菜を食いたがっているというような現状になっちゃう。それから薬が入らないんだったら自分達で開発をして。それは、ただの薬の開発だけじゃなくて、医療のシステムを作り出そうということで立ち向かったのがエイズだったんです。詳しいことは知りませんけども、成果が出たらしくて。ラテンアメリカ諸国はエイズの、中南米のエイズの治療センターとしてキューバを持ち上げて、資金を援助している。高いアメリカ製の薬なんか買えない人達がエイズ治療に頼るのはキューバしかないという状況を作り上げて。そういうことを成果だと言っていると思うのです。それで、その人達がシエラレオネに行っているにもかかわらず、全く報道されないのを見ていると、これはやっぱりエボラで一儲けしようと思っていたアメリカや他の製薬会社や、そこに金を出してる連中が、キューバなんかに安い薬を開発されたら大変なことになるという危機感から、報道されないんじゃないかっていうふうにも思える。このように報道がウソもすぐバレるようなことをやり続けてる状況に非常に腹をたてながら、パレスチナについてのこのような文章を書いてしまった次第です。
司会 最後はキューバの医療班のことですね。キューバはずいぶんアフリカにコミットしてましたんで。昔は軍事的にもコンゴやアンゴラなんかに行ってましたね。ただ今の医療団のことはちょっと知りませんでした。エイズ特効薬を作るのはもしかしたらキューバじゃないかっていうのを、確か中南米研究の太田昌国さんから聞いたことがあります。話がちょっと飛びましたけど、パレスチナっていうのは、ひどいことがおこなわれているなあと思いながらも、なかなか難しい。地図で少しずつ説明してもらったんで、少しわかるんですが。では今の話に対して、何か質問でも意見でもありましたらどうぞ。私はこう思うとか、何でもいいんです。もちろん「山谷」の映画についてでもかまいません。どなたかございませんか。はい。
参加者A 東京などでガザ攻撃に対する反対運動やってて思うところを少しお話し願いませんか。
三井 主催者の趣旨を支持して参加してただけなんです。で、イスラエル大使館前っていうのは日本テレビのビルの角を曲がって、狭い道を入って、その先にこう入っていった所にあります。いつも日テレの駐車場の向こう側あたりで抗議行動やってたんですが、今年は日テレのある通りから中へ入れさせない。金属の柵をつくって、警察官がいっぱい並んで、入れさせなくなった。近所迷惑だからっていうんですが、そんなことは昔からなのに。とにかく入れさせない。あるいはトランジスターメガフォンを持って大使館前に行った人は、あれまで壊されたり。何十メートルの差といえばそれまでなんですが、イスラエル大使館に付いている警察の警備はきつくなった。これは政権との関係があるのかなって思いました。もう一つは、これは新宿で8月の初めに凄く暑い日にデモをやったんですが、何人かが「ハマスは停戦を守れ」っていう紙切れを持っていたりしました。これはPLO東京事務所のまわし者かと思うような外国人が、ハマスは戦争をやることでいくらイスラエルから金をもらってるのかっていう。そういうプラカードを持って参加している人達もいたんですよね。まあ戦争に反対するっていう大括りの中でやってることですから……そこでガチャガチャ言ってもしょうがないことなんですが、そういう人達もいるのかなと思いました。僕は別にハマスの支持者でもないし、ハマスこそが未来を切り開くと信じてるわけでもないんですが、ただハマスのあそこが悪いここが悪いって遠くから言ったってしょうがないってことです。起こってる事態を、そしてやっぱり戦争には反対すると。不正が行われてることには反対するんだっていうところでは、行動を起こしてけばいいかなと思っているんです。その辺も含めてメディアの報道が変なところにいくと、思い入れ、思い込みが強い人ほどハマスも停戦を守って欲しい。ハマスがロケット弾を撃つからイスラエルの攻撃が続いて、一般市民がああやって殺されていく。だからハマスは抵抗をやめて欲しいというようなスローガンにいってしまうのはちょっと残念です。平和裏の交渉が進むんだったら、なにもハマスもロケットなんか撃ちゃしないだろうと思いますし。今年の夏もそうですけども、もう十数年にわたって無人機やヘリコプターで、宗教的な組織ですから宗教的な指導者をドンドンドンドン殺されています。ですから、ハマスという組織だけじゃなくてパレスチナの人達にとっても本当に痛手でしょうし。そのハマスに向かって停戦を守れっていうスローガンを出すのはちょっと残念だと思いました。

ユダヤ人とアラブ人が共にデモをすることと
イスラエル国内での反動と暴力

あとは、ロンドンで5万人、パリで何万人だ、何十万人だっていうのを見てると、800人いるかなと思ったら主催者発表で650人だったんで、もっと人が来て欲しい。一発くらい大きなデモをやりたいなあって思いました。ちょっと忙しくて、そういうデモを準備する会議に出ている立場でもないので、あまり不平を言ってもしょうがないかなと思いますけれど。これはユーチューブで見ているんですが、ロンドンでもパリでも、アメリカの大きな都市でもユダヤ人、ユダヤ教徒がたくさんデモに出ていて。自分達は、私達はユダヤ人だけれどもイスラエルとは関係ない、イスラエルっていう国は我々の代表ではないと。それから、アメリカなんかで、髭をはやして黒い服着たユダヤ教の聖職者達が、アメリカにいるアラブ人と一緒に、パレスチナの旗を振りながら一緒にデモをやるというのがかなり増えてきたんだなと思って。非常に元気づけられました。一方で、イスラエルの国内の反戦運動に対する物凄い弾圧ですね。もう国内総在特会化してるんじゃないかっていうくらいで。読んだ記事なんですけれども、1500人ほどが集まって反戦派のデモを始めようとしたら、その何倍ものユダヤ教徒のイスラエル国民が集まって「お前達は売国奴だ」と。「お前達はイスラエルから出ていけ」と言って、そのデモをつぶすという。それでもう警察が間に入らないと大変なことになるくらいの騒ぎが起こったっていうのが何回か記事で読んだことがありました。それから朝、BSでやってる国際ニュースの、BBCだったと思うんですけども、国連の運営するガザにある学校をイスラエルが空爆して何人も亡くなったっていうニュースが出た後で、若者が「ガザには学校なんてないんだ」「ガザには子供なんていないんだ」ってギャーギャーギャーギャー叫んでいる。そういうのを見ると、ああなんか在特会だなこれはと思って。イスラエル国内の経済格差が非常に大きくなり、そして移民が増え、政府が移民を呼んでおきながら移民を排除する。アフリカ人は出て行けみたいな運動もあったり。それが入植地において組織的で過激な暴力的行動に出るようになる。パレスチナの居住区の上にバキュームカーを何台も持ってきて、糞尿を垂れ流すとか。子供を誘拐してはリンチして返すとか。そういう事件が日常茶飯になっているという記事を読んだりすると、イスラエル国内が凄いことになっている。それとは逆に、国外では「イスラエルとは関係ないぞ」と。「あんな戦争支持しないぞ」というユダヤ人の行動が大きくなってきている。まあそういうこともあって、東京でデモやった時にもうちょっと人がいっぱい来て欲しいなっていう気になりました。
参加者A ありがとうございます。
参加者B 東京新聞だけ読んでて、日本にいる。ネタニヤフが日本に来たのも全然知らなかった。でも東京新聞を読んで気付いたのは2つの記事です。1つは、それは秘密保護法の流れだと思うんですけど。日本がイスラエルと軍事的に条約じゃないんですけど、協力するというのを宣言してて。で、サイバーテロの技術を共同で開発するっていうのがあった。もう一つはパレスチナの空爆がまだ終わってない8月くらいの段階で。イランのテレビの放送を東京新聞は載せていて。それはイスラエル軍が使っていた無人機にソニーのカメラ技術が使われてた。イランのジャーナリストとテレビ局がソニーがイスラエル軍と一緒に武器を作っているというふうに報道してたんですね。だから、なんかつながってるのかなあって、ちょっと気になったんですよ。日本とイスラエルと、あと日本の動きの中で何が起こってるのかと。詳しいのがあれば。それから、マレーシア航空機のことは全然考えたことはなかったんですけれど、常識なのは、イスラエルは空爆する目標リストを持ってるんですね。都合のいい所に空爆するんです。一番わかりやすいのは9.11の後にすぐに空爆があったんです。あれは確か西岸のファタハの当時の政府のビルを全部壊したんですね。

イスラエルの占領ビジネスとしてのセキュリティシステム

三井 確かに、ガザの爆撃現場で落ちていた武器の破片の中で、電子基盤みたいなのが落ちていて。それはもう明らかにソニーと、写真によってはメイドインジャパンまで書いてあるのがわかって。これを今言われたイランの女性のジャーナリストが拾って、写真で広めたっていうのもあります。日本から行ってたトシクニさんなんかも写真を送ってましたけれど。実を言うと、昔からソニーのビデオ技術というのは性能がいいので80年代から軍事的に転用されていました。パーツで出ちゃうとどこにどう使われてるかわからないとか言いますが、わからないはずはないんですけれども。日本が今までやってきたような武器輸出三原則の中には収まらない。本当に民生用にも使えるし軍事用にも使われちゃう技術として、ソニーは昔から時々聞いたことがあります。ただ、今回のあそこまで執拗に人がいる所をピンポイントで狙うような武器にまで使われてるのを既成事実化させてはいけないとは思います。今、イスラエルの製品、特に西岸地区の占領地で作られた製品をボイコットしようという運動が盛んです。ヨーロッパなんかではかなり進んでいて。イスラエルのいくつかの企業は本当に困ってるらしい。それを日本で推進しようという運動体、ストップソーダストリームっていうんです。家庭内で薬と水を入れるとシューっと炭酸が出てきて、おいしいのが飲めるぞという。これが西岸の占領地に工場を作って、現地のパレスチナ人を雇って、文句言えばすぐ首切られる状態で作られている製品なんです。これをボイコットしようと日本でやっている人達が、今ソニーに公開質問状を出していますが全く返答がない。返答がないので、今公開しています。ウェブでBDSとかストップソーダストリームとか、イスラエルボイコットとかって検索すればすぐ出てきます。そこにはソニーに対して、これだけの人を殺傷する兵器に使われてるものを平気で輸出していいのかっていうことで追及してますので、読んでみたらいかがでしょうか。
それからサイバーテロに関してですね。今も東京オリンピックの警備のことが言われてます。僕はコンピューターとかの電子機器には詳しくないんですけど、例えばロンドンオリンピックの警備はチケットから、入場者のチェックから、何から、選手団の入国から全てイスラエルとイスラエルの企業が請け負ったっていう話を聞いています。冷戦体制下ではだいたいソ連をはじめ旧社会主義圏や、キューバなどのラテンアメリカ諸国、独立を遂げた国々はイスラエルを批判してパレスチナを一生懸命盛り上げたりしている側に立ってたんだけど、なぜか中国はいきなりイスラエルと国交回復しちゃったんですよね。今、中国の警察とイスラエルにとって共通の敵としているのはイスラム過激派ですから。中国でも西域の人達が時々爆弾仕掛けたりやってますから、そういう共通の利益なのかどうか知りませんけど、中国の警察の治安システムの多くがイスラエルと提携して、イスラエルの企業が入っている。あるいは中国の企業とイスラエル企業が技術提携をして防御システムや監視システムを作っていると言われてます。だから、ここ数年中国で事件が起こるとやたらに監視カメラの映像がニュースで使われてませんか。天安門広場で車が突っ込んで火つけたとか。刀を振り回してなんかやったとか。あれは全部イスラエルが中国の警察の下請けに回って提携しながら、そして中国の企業とも提携しながらやってる、そういうセキュリティシステムなんですよ。だから日本もオリンピックの警備やらで、それを導入してるのかなと思うと、かなりぞっとしてきますけどね。占領地を持っていて、占領地の人間を全部管理して、しかもそこからイスラエル国内に出稼ぎに来る労働者を監視しなきゃいけない。時間が来たら、イスラエル国内に止まらせないで、働いたら何時までに必ず西岸なりガザなりに返せという出稼ぎ労働を受け入れているイスラエルですから。人々を監視する。ナンバーを付ける。出入りを管理する。占領地とその外との交通を監視するっていうことに関しては、非常に長けている。そういうような条件の中でイスラエルの技術は成長してきたんじゃないかなって思います。イスラエルは占領地ビジネスのうまいところをロンドンでも北京でも東京でも行っている、あるいは行おうとしているんじゃないかなと。それが日本、イスラエルのこういう関係強化というのに含まれてるんじゃないかと思います。
司会 そろそろ時間なんで。よろしいですか。それじゃあ今日はこの辺で。隣で飲み物を用意しています。時間がある方はもうちょっとこの続きの話や、リラックスして観点を変えての話など、ご歓談ください。本日はどうもありがとうございました。どうも三井さんありがとうございました。
[2014.10.18プランB 文責・山谷制作上映委員会]

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